ザンビアの風が運ぶもの

風が吹いています。
頬にあたるとひんやりとして、気持ちがいい。

風上には大きなルアングア川がうねるように流れていて、
川の向こうにはサウス・ルアングア国立公園が広がっています。
公園の面積は9050km2、なんと東京都の約4倍の広さ。
ゾウやライオンやインパラたちの住む場所が、そのままの状態で保護され
守られているザンビアの国立公園。
「野生生物の聖域」とも言われている場所だそうです。

野生生物が野生生物らしく生き、野生生物らしく死んでゆく、
そんな場所から吹いてくる風はまさに 「野生の風」。
人工的な物質を一切含まない「オーガニックな風」と言ってもいいのかもしれません。

それにしても、この風の心地よさは何なのでしょう?
風に吹かれていると、心が落ち着き、頭の中が空っぽになり、
全身が癒され、ゆっくりと力が湧いてきます。
森林浴ならぬ感風浴、温泉に浸かったような爽快感に包まれます。

東京で感じる風とは明らかに違うのです。
密集したビルの谷間、エアコンの室外機から吹き出してくる風
自動車のタイヤが削ったアスファルトや排気ガスを含んだ風
今もぐつぐつと煮え続ける原発事故跡から吹いてくる風

目には見えないけれど、風の違いを肌が感じるのです。
ピリピリしない柔らかな風、
全身の毛穴が開くという感覚でしょうか。

この風にいつまでも吹かれていたい
この風を失いたくない
この風を守りたい

でも、どうすれば、、、
ザンビアの風に吹かれて以来、ぼくはその虜になってしまいました。

そして、いつかあなたにもこの風を感じて欲しい。
静かに目を閉じて、この風に吹かれて欲しいのです。

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